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Zoomの文字起こしがうまくいかないとき、原因のほとんどは操作ミスではありません。仕様として、そもそもできない状態にあることが大半です。
先に、今すぐ確認する1点を書きます。
あなたのZoomアカウントは有料プランですか。 Zoom公式のヘルプによると、クラウドレコーディングの文字起こしに必要なのは「Pro、Business、Education、またはEnterpriseアカウント」です。つまり無料アカウントでは、この機能自体が使えません。
そのうえで、よくある詰まり方は4つに分かれます。
- 無料アカウントで使おうとしている → 仕様上できません
- 日本語にならない・英語になる → ライブ字幕の言語設定の問題です
- 保存先が分からない・保存し忘れた → 保存されるのはVTTという字幕ファイルで、置き場所が決まっています
- 自分がホストではない → 開始できるのはホストと共同ホストだけです
そして、この記事でいちばん伝えたいのはここです。Zoomの文字起こしは「字幕」であって「議事録」ではありません。 出てくるのはタイムコード付きの字幕ファイルで、そのままでは議事録になりません。この違いが分かると、外部ツールを足すべきかどうかの判断がつきます。
この記事の内容は、2026年8月23日時点でZoom公式のヘルプセンターを確認したものです。
まず切り分け:あなたの状況はどれか
3つの質問に答えると、原因が絞れます。
| 質問 | はい | いいえ |
|---|---|---|
| ① 有料アカウント(Pro以上)ですか | ②へ | 原因1(仕様上使えません) |
| ② あなたがホストまたは共同ホストですか | ③へ | 原因4(開始権限がありません) |
| ③ 文字は出るが日本語にならない | 原因2(言語設定) | 原因3(保存先の問題) |
以下、それぞれの対処を説明します。
原因1:無料アカウントでは文字起こしが使えない
Zoom公式ヘルプの前提条件には、クラウドレコーディングのオーディオ文字起こしについて「Pro、Business、Education、またはEnterpriseアカウント」が必要と明記されています。加えて、クラウドレコーディングとオーディオ文字起こしの両方がアカウント設定で有効になっている必要があります。
AI Companionのミーティング要約も同様です。公式の前提条件には「Zoom Workplace Pro、Pro Plus、Business、Business Plus、Enterprise、Enterprise Plus」のライセンスユーザーであることが挙げられており、無料アカウントでは利用できません。
対処法
選択肢は2つです。
A. 有料プランにアップグレードする
毎回Zoomで完結させたい場合はこちらです。ただし、後述するように出てくるのは字幕ファイルなので、議事録にする作業は別に発生します。
B. 外部の文字起こしツールを使う
Zoomのプランを変えずに済みます。録音さえできれば、アカウントの種類に関係なく文字起こしできます。会議1本を議事録まで持っていきたい場合は、こちらのほうが結果的に近道になることが多いです。
「Zoomの文字起こしが使えない」の大半は、この原因1です。 設定画面を探し回る前に、まずプランを確認してください。
原因2:日本語にならない・英語になる
ミーティング中の自動字幕(ライブ字幕)は、既定の言語が英語です。Zoom公式のヘルプにも「英語が既定の言語ですが、他の言語を選択できます」と書かれています。
つまり、日本語で話しているのに英語の字幕が出るのは、設定が既定のままだからです。
対処法
字幕の言語設定を日本語に変更します。設定はホスト側の自動字幕設定に従うため、参加者側だけで変えられない場合があります。ホストが英語のままにしていれば、参加者の画面も英語になります。
なお、クラウドレコーディングの文字起こし(録画後に生成されるほう)は日本語に対応しています。Zoom公式によると対応言語は19言語で、英語・スペイン語・フランス語・ドイツ語などと並んで日本語が明記されています。
ライブ字幕(会議中)と、録画の文字起こし(会議後)は別機能です。「日本語にならない」で困っているのは前者、「文字起こしが日本語で出た」のは後者、というケースがよくあります。混同しないでください。
原因3:保存先が分からない・保存し忘れた
ここが最もつまずきやすい部分です。
クラウドレコーディングの文字起こしは、VTTファイルとして自動的に保存されます。 VTTは字幕用のファイル形式で、Zoom公式のヘルプには「別のVTTファイルとして自動的に保存される」と書かれています。
保存されたファイルは、Zoomのウェブポータルからダウンロードできます。ダウンロードしたVTTファイルは、テキストエディタやワープロソフトで開けます。
「保存し忘れた」場合
会議中の字幕を手動で保存する機能と、録画から自動生成される文字起こしは別物です。クラウドレコーディングを有効にして録画していれば、会議中に保存操作をしていなくても文字起こしは生成されます。逆に、ローカル録画(自分のPCに保存する方式)では自動文字起こしは付きません。
「保存し忘れた」と感じたときは、まずZoomウェブポータルの録画一覧を確認してください。
VTTファイルの中身
VTTにはタイムコード(何分何秒に何を話したか)が入っています。テキストエディタで開くと、こういう構造になっています。
- 発言の順番と時刻
- 発言内容
話者ごとに整理された議事録ではありません。 ここが次の話につながります。
原因4:ホストでないと開始できない
AI Companionのミーティング要約について、Zoom公式には「ミーティングのホストと共同ホストだけが、ミーティング内のコントロールから要約を開始または停止できる」と書かれています。
参加者は、ホストに有効化をリクエストすることはできます。ホストが不在の場合は、アカウント管理者にメールでリクエストが送られる仕組みです。
対処法
自分が参加者の立場で、確実に記録を残したい場合は、自分の手元で録音するしかありません。 ホストの設定に依存しない方法を持っておくと、毎回お願いする必要がなくなります。
ただし、録音すること自体は事前に相手へ伝えてください。 黙って録音するのは、法律以前に信頼の問題になります。会議の冒頭で「記録を取ります」と一言添えるだけで済みます。
有効にする設定はどこを見ればいいか
Zoomの設定項目は名前が似ていて紛らわしいので、探す項目の名前で覚えておくと確実です。公式ヘルプに出てくる名称は次の通りです。
| やりたいこと | 有効にする項目 | 誰が設定するか |
|---|---|---|
| 録画から文字起こしを作る | クラウドレコーディング + オーディオ文字起こし | アカウント管理者・ホスト |
| 会議中に字幕を出す | 自動字幕 | アカウント管理者・ホスト |
| 会議の要約を作る | AI Companion のミーティング要約 | アカウント管理者・ホスト |
3つとも別の設定です。 「自動字幕をオンにしたのに文字起こしファイルが残らない」というのは、この違いによるものです。会議後にファイルとして残したいなら、必要なのはクラウドレコーディングとオーディオ文字起こしの組み合わせです。
そしてもう1点。これらはアカウント側の設定に左右されます。 会社のZoomアカウントを使っている場合、管理者がオフにしていれば個人の画面には項目自体が出ません。設定を探しても見つからないときは、自分の操作ではなく管理者側の設定を疑ってください。
外部ツールで代替する場合の手順
Zoomのプランを変えずに議事録まで持っていく方法です。3ステップで済みます。
ステップ1:録音の準備をする
会議の前に、文字起こしツールを起動しておきます。Web会議の音声を直接取り込めるツールなら、その機能を使います。対応していない場合は、PCの音声を録音する形になります。
ステップ2:会議の冒頭で伝える
「記録を取ります」と一言添えます。これは法律の話ではなく、後で揉めないための実務です。相手が難色を示した場合は、メモを取る形に切り替えてください。
ステップ3:文字起こし後に要約させる
ここが本題です。文字起こしをそのまま配るのではなく、決定事項・宿題・次回日程の3項目に整理します。ツールのAI要約機能を使うか、生成AIに投げるかのどちらかです。
生成AIに投げる場合の指示は、これで十分です。
以下の文字起こしを、決定事項・宿題(担当者つき)・次回日程の3項目に分けてまとめてください。発言者が特定できる場合は明記してください。
「要約して」だけだと粒度がAIまかせになります。 出力の形を先に決めるのがコツです。
Teams・Google Meetの場合はどうか
「Zoomだから文字起こしができない」と考えている場合、他のツールに移れば解決するのか、という疑問が残ります。
結論を書くと、どのWeb会議サービスも、文字起こし・要約は有料プランの機能として提供されているのが基本です。無料プランで議事録まで完結するサービスを探すより、録音さえできれば会議サービスを問わず使える外部ツールを1つ持つほうが、結果的に応用が利きます。
理由は3つあります。
- 会議サービスを乗り換えても、設定と権限の問題は付いて回る(ホストでなければ使えない構造は共通です)
- 対面の打ち合わせや電話は、どのWeb会議サービスでもカバーできない
- 相手が指定してくるサービスは選べない。取引先がTeamsを使っていれば、こちらの都合では変えられません
「Zoomの機能を使いこなす」より「会議サービスに依存しない記録の手段を持つ」ほうが、実務では潰しが利きます。
【本題】Zoomの文字起こしは「字幕」であって「議事録」ではない
ここまでの対処を全部やっても、多くの人が最後に「思っていたものと違う」と感じます。理由は単純です。
Zoomが出力するのはVTT、つまり字幕ファイルだからです。
| Zoomの文字起こし(VTT) | 議事録として必要なもの | |
|---|---|---|
| 形式 | タイムコード付きの字幕 | 読める文章 |
| 話者 | 整理されていない | 誰が何を言ったか |
| 内容 | 発言のすべて | 決定事項・宿題・次回日程 |
| 分量 | 1時間で数万文字 | A4で1〜2枚 |
1時間の会議をそのまま文字にすると、数万文字になります。これを人が読んで要約するなら、結局1時間近くかかります。文字起こしができても、議事録づくりの手間はほとんど減っていないということです。
AI Companionのミーティング要約を使えば要約までいきますが、こちらも有料ライセンスが必要で、ホストしか開始できません。
だから外部ツールを足す人が多い
この構造が、Zoomの機能があるのに文字起こしツールを別途契約する人が多い理由です。求めているのは「文字」ではなく「議事録」だからです。
会議1本を、そのまま議事録にしたいなら
Nottaは録音から文字起こし・AI要約までを1本で通せるサービスです。無料プランは月120分まで文字起こしでき、AI要約も月10回まで使えます。ただし1回の録音が3分までなので、1時間の会議は無料では通りません。有料のプレミアム(月1,980円・税込)で月1,800分・1回5時間・要約100回になり、ここで初めて「会議1本=議事録1本」が成立します。Zoomのプランを上げずに済むのが、この方法の利点です。
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なお、Notta以外も含めた8社の比較はAI議事録ツール比較8選で、無料で使えるものだけを集めた検証は無料で使えるAI議事録8選にまとめています。
Zoomの機能で足りるケース・足りないケース
外部ツールが常に必要なわけではありません。切り分けの基準はこうです。
Zoomの機能で足りる
- すでにPro以上を契約している
- 自分がホストである
- 欲しいのはあとで検索できる記録(誰がいつ何と言ったかを確認できればよい)
- 要約は自分で書く、またはAI Companionの要約で足りる
外部ツールを検討したほうがよい
- 無料アカウントのまま使いたい
- 自分が参加者の立場のことが多い
- Zoom以外の会議(対面、電話、Google Meet、Teams)も記録したい
- 議事録の形(決定事項・宿題・次回日程)にして共有したい
- 文字起こしを編集・共有するところまで一気にやりたい
3つ目は見落とされがちです。Zoomの文字起こしはZoomの会議にしか使えません。 対面の打ち合わせや電話が多いなら、Zoomのプランを上げても解決しません。
文字起こしの精度が低いときに効く4つ
プランも設定も問題ないのに「変換がひどい」という場合、原因は音声側にあります。ツールを変える前に、この4つを試してください。
1. マイクを使う
PC内蔵マイクは、キーボードの打鍵音や空調音を一緒に拾います。イヤホンマイクに変えるだけで精度は目に見えて変わります。 費用対効果はこれが最も高いです。
2. 一人ずつ話す
複数人が同時に話すと、どのツールでも精度が落ちます。オンライン会議では、発言の頭に名前を付けるルールにしておくと、後で話者を特定しやすくなります。
3. 固有名詞は事前に登録する
社名・製品名・人名は誤変換の温床です。辞書登録の機能があるツールなら、会議前に登録しておきます。この機能の有無は、継続して使う場合に効いてきます。
4. 専門用語の多い会議は、後で置換する
毎回同じ誤変換が起きるなら、テキストエディタの一括置換で処理するほうが早いです。完璧な変換を目指すより、決まった誤変換を機械的に直すほうが現実的です。
なお、日本語の文字起こしは英語より精度が落ちやすい傾向があります。公式が示す対応言語に含まれていても、期待値は英語と同じではないと考えておいてください。
よくある質問
Q1. Zoomの無料プランで文字起こしはできますか?
できません。 Zoom公式の前提条件には、クラウドレコーディングのオーディオ文字起こしに「Pro、Business、Education、またはEnterpriseアカウント」が必要と明記されています。AI Companionのミーティング要約も、Pro以上のライセンスユーザーが対象です。
Q2. 日本語には対応していますか?
録画の文字起こしは対応しています。 Zoom公式によると19言語に対応し、その中に日本語が含まれています。一方、会議中のライブ字幕は既定が英語なので、日本語で話しているのに英語の字幕が出る場合は言語設定を確認してください。
Q3. 文字起こしファイルはどこに保存されますか?
VTTファイルとして自動保存され、Zoomのウェブポータルからダウンロードできます。 VTTはテキストエディタやワープロソフトで開けます。なお、ローカル録画(自分のPCへの保存)では自動文字起こしは生成されません。
Q4. 文字起こしをしていることは相手に分かりますか?
AI機能の利用中は、その旨が参加者に示される設計になっています。 また、要約を開始できるのはホストと共同ホストだけです。いずれにせよ、記録を取ることは会議の冒頭で伝えるのが実務上のマナーです。
Q5. VTTファイルをそのまま議事録として配ってもいいですか?
おすすめしません。 VTTはタイムコード付きの字幕形式で、1時間の会議なら数万文字になります。読む側の負担が大きく、決定事項や宿題も埋もれます。要約する工程は別に必要です。
Q6. 参加者の立場でも文字起こしできますか?
Zoomの機能では、ホストの設定に依存します。 自分の判断で記録を残したい場合は、手元で録音して外部ツールで文字起こしする方法になります。その場合も、事前に相手へ伝えてください。
Q6-2. 録音していることを伝えないとどうなりますか?
法的な扱いは状況によりますが、実務上は信頼の問題になります。後から「記録が残っていた」と分かったときの影響のほうが大きいので、冒頭で一言伝えるのが確実です。本記事は法的助言を行うものではありません。
Q6-3. 文字起こしのデータはAIの学習に使われますか?
サービスとプランによって変わります。 たとえば文字起こしサービスの中には、AI学習に使わない設定が上位プラン限定になっているものがあります。社外に出せない情報を扱う場合は、契約中のプランでその設定が有効かを確認してください。各サービスの扱いは生成AIとは?初心者が最初に知るべき3つで比較しています。
Q7. Zoom以外の会議も記録したい場合は?
Zoomの文字起こしはZoomの会議にしか使えません。 対面の打ち合わせ、電話、他のWeb会議も含めて記録したい場合は、外部の文字起こしツールを使うことになります。ツールごとの上限の違いはAI議事録ツール比較8選で比較しました。 取材やインタビューの記録なら、インタビューの文字起こしはAIでどこまで?で人力との費用差まで比較しました。
まとめ
Zoomの文字起こしで詰まったときは、この順で確認してください。
- 有料アカウント(Pro以上)か — 無料では機能自体が使えません
- 自分がホストか — 要約を開始できるのはホストと共同ホストだけです
- 言語設定 — ライブ字幕の既定は英語です
- 保存先 — VTTファイルとしてZoomウェブポータルに保存されます
そして最後にもう一度。Zoomが出すのは字幕であって議事録ではありません。 欲しいものが「決定事項・宿題・次回日程がまとまった1枚」なら、Zoomのプランを上げるより、録音から要約まで通せるツールを1つ持つほうが早いことが多くなります。
会議が週に何本もある人ほど、この差は大きくなります。
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(本記事のZoomの仕様は2026年8月23日時点で公式ヘルプセンターを確認したものです。仕様は変更される場合があるため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。)


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