ボイスクローンで自分の声を登録する前に確認する4つ|解約しても声は消えない

ボイスクローンで自分の声を登録する前に確認する4つ|解約しても声は消えない AIサービス

※本記事にはプロモーションが含まれる場合があります。

ボイスクローンは「自分の声のコピーを作る機能」と説明されがちですが、実際に起きているのは自分の声をサービスに預ける契約です。

そして各社の公式ヘルプを読むと、預けたあとの扱いが共通しています。

  • 解約しても、登録した声は削除されません(ElevenLabs・CoeFontとも公式に明記)
  • ただし、使えなくなります(無料プランに落ちると凍結される)
  • 自分で消すのが難しい。CoeFontは「アカウント削除のみで削除可能」、ElevenLabsのPVCは検証段階に進むと削除できません

「消える」ではなく「消せない」ほうが問題になります。

一方で、良い方向にも共通点があります。契約中に作った音声は、解約後もそのまま商用利用できます(ElevenLabsは「永続的な商用ライセンス」と明記、CoeFontも「解約後も継続して商用利用が可能」と回答)。

この記事は、料金の比較ではありません(それはAI音声生成おすすめ8選で「月に何分しゃべらせられるか」の軸でやっています)。ここで扱うのは、自分の声を渡す前に確認しておく4つです。

この記事の調べ方

各社の公式ヘルプ・FAQ・ドキュメントを2026年9月1日に直接読んで、書かれていることだけを引いています。

確認先 取得できたか
ElevenLabs 公式ドキュメント(Professional Voice Cloning) ✅ 必要な音声の長さ・検証・解約時の扱い
ElevenLabs 公式ヘルプセンター ✅ ダウングレード時の挙動・解約後のライセンス
CoeFont 公式FAQ ✅ 解約時の扱い・削除方法・退会条件
CoeFont 利用規約 🔴 取得できず(Notionでホストされており本文が読み込まれない)
AHS(VOICEPEAK)公式製品ページ ✅ 掲載されている機能を確認

🔴 注意した点をひとつ書きます。 CoeFontには coefont.cloud/maker/terms という利用規約ページがありますが、これはCoeFont本体の規約ではありません。冒頭の定義を読むと「おしゃべりひろゆきメーカー」「イケボメーカー」などの規約で、知的財産権は全て運営に帰属・商用利用は禁止という、本体とは正反対の条件が書かれています。同じドメインでも別サービスの規約なので、引用するときは冒頭の「本サービス」の定義を必ず確認してください。

まず区別:自分の声を登録できるサービスは限られる

「AI音声」と一括りにされますが、自分の声を使えるかどうかで2つに分かれます。

種類 何ができるか
ボイスクローン型 自分(または権利を持つ人)の声を登録して、その声で読ませる ElevenLabs、CoeFont
プリセット音声型 あらかじめ用意された声を使う。自分の声は登録できない VOICEPEAK、VOICEVOX

VOICEPEAKは買い切りのソフトで、AHSの公式製品ページに掲載されているのはナレーター音声のセットです。感情パラメータやプリセット、辞書登録には対応していますが、製品ページにボイスクローン機能の記載はありません。VOICEVOXも同様にキャラクター音声を使う仕組みです。

「買い切りだから自分の声も手元に残る」とはなりません。 そもそも自分の声を登録する機能がないためです。ここは混同されやすいので先に切り分けておきます。

比較表:自分の声を預けたあと、何が起きるか

2026年9月1日時点の公式情報です。

確認項目 ElevenLabs(Professional Voice Cloning) CoeFont
必要な音声の量 推奨1時間・理想は3時間に近いほど良い(最低30分) 録音は最短5分、その後約2時間で利用可能(CoeFont通訳の自分の声)
声の登録そのものの費用 Creator以上の機能(下位プランでは使えない) 「AI音声の作成は無料です」(登録は無料プランでもできる)
解約したら消えるか 消えない。ただしCreatorより下に落とすと使用できない 消えない(「されません」と明記)。Freeプラン中は非表示、有料再加入で再表示
自分で削除できるか 🔴 検証段階に進むと削除できない(”locked in until you’ve verified”) 🔴 アカウント削除のみで削除可能
アカウント削除の条件 未払いがあると削除できない。削除するとAPIキー・履歴を含む全データが恒久的に削除される 有料プラン加入中は削除できない。Freeにダウングレードしてから
解約後の商用利用 契約中に生成した分は永続的に商用可(”forever”) 解約後も継続して商用利用が可能(Standard/Plus/Enterprise)
無料プランで生成した分 表記(attribution)が必須で、商用不可 商用利用はStandard以上。Freeは「Voiced by CoeFont.cloud」の表記が必須(概要欄可)

2社が独立に、ほぼ同じ設計になっています。 声は預かったままで、支払いが止まると使えなくなる。これは例外的な仕様ではなく、この業界の標準と考えたほうが安全です。

確認する4つ

① どれだけの音声を渡すことになるか

ここが最初の分岐です。 必要な量が、サービスによって10倍以上違います。

必要な音声
ElevenLabs(PVC) 推奨1時間・理想3時間(最低30分)
CoeFont(通訳の自分の声) 最短5分

ElevenLabsが求める「理想3時間」は、一度読み上げれば終わりという量ではありません。原稿を用意して、同じ環境で、同じ機器で録る必要があります。品質はここでほぼ決まるので、思いつきで始めると途中で止まります

そして重要なのは、渡した音声そのものも預けたことになるという点です。生成された声だけでなく、学習に使った録音も相手のサーバーにあります。

なお声を登録すること自体の費用も違います。CoeFontは公式FAQで「AI音声の作成は無料です」と回答しており、無料プランでも登録できます。一方ElevenLabsのProfessional Voice CloningはCreator以上の機能で、下位プランでは使えません。ただしCoeFontも商用利用はStandard以上なので、「無料で作って仕事に使う」はどちらでもできません。

② 解約したら、声はどうなるか

両社とも「削除されない」と明記しています。 ただし意味が違います。

ElevenLabs:ダウングレードしても声は残りますが、新しいプランで使える本数までしかアクセスできません。公式ヘルプの例では、30本のクローン音声を作ってStarter(10本まで)に落とすと、残り20本を使うにはCreatorに戻す必要があると説明されています。Creatorより下では、そもそもPVCが使えません。

CoeFont:公式FAQに「有料プランを解約したら作成したAI音声は削除されますか?」→「されません」、「有料プランを解約したら作品は削除されますか?」→「Freeプラン中は非表示になりますが、有料プラン再加入時に再表示されます」と書かれています。

つまり両社とも「凍結」です。 消えないので安心とも言えますが、使うには払い続けるしかないという意味でもあります。

③ 自分で消せるか ← ここがいちばん見落とされる

「やめたい」と思ったときに消せるかどうかは、料金表には書かれていません。

CoeFont:公式FAQは「AI音声は削除できますか?」に対して「アカウント削除のみで削除可能です」と回答しています。個別の削除はできません。さらに有料プラン加入中はアカウント削除ができず、Freeにダウングレードしてからでないと退会できません。

つまり順番が決まっています。①Freeにダウングレード → ②アカウント削除。これで初めて声が消えます。

ElevenLabs:Professional Voice Cloningは、検証段階に進むと削除できなくなります。公式ドキュメントに “once you advance to the verification stage, you are locked in until you’ve verified your voice” と書かれています。作りかけで気が変わっても、検証を終えるまで止まりません。

補足として、CoeFontは登録メールアドレスの変更ができません。変えたい場合は「現在のアカウントを削除し、新しいメールアドレスでアカウントを作成」する必要があり、公式FAQは「アカウント内のデータの移行は承っておりません」と明記しています。アカウントを作り直すと、登録した声も一緒に消えます。

④ 解約後も、作った音声を使えるか

ここは両社とも利用者に有利です。

ElevenLabsは「サブスクリプションが終了しても、契約中に生成したものについては永続的に商用ライセンスを保持する」と公式ヘルプで説明しています。

ただし逆方向に注意が必要です。サブスクの外で(=無料プランで)生成した音声は、常に表記が必要で、商用利用できません。「無料で試して作った音声を、あとから課金して商用に使う」はできません。 これはElevenLabsの料金プラン全比較でも扱っています。

CoeFontも公式FAQで「Standardプラン、Plusプラン、Enterpriseプラン解約後も継続して商用利用が可能です」と回答しています。

納品済みの案件が、解約で使えなくなることはありません。 ここは安心してよい部分です。

預けた声は、AIの学習に使われるか

もう1つ、料金ページに書かれていない項目です。渡した音声が、そのサービスのモデル改善に使われるのか。

CoeFontは公式FAQで、CoeFont通訳の会話データについて「Plusプラン以上をご利用の場合、会話データがAI学習目的で再利用されることはありません」と回答しています。

この書き方は重要です。 「Plus以上なら再利用されない」と書かれているということは、それより下のプランでは同じ保証がないということです。無料やStandardで試す場合は、この前提で使うことになります。

ElevenLabsは、第三者のLLM提供元との契約で、提供元が顧客のコンテンツでモデルを学習することを明示的に禁止していると説明しています。さらにエンタープライズ向けにはZero Retention Modeがあり、リクエストの完了と同時にデータが削除されます。

ただしZero Retention ModeはAPI利用のみが対象で、公式ドキュメントに「Web UIやプレイグラウンド経由のトラフィックは対象外」と明記されています。ブラウザで使っている限り、この保護は効きません。

学習利用の扱い
CoeFont Plusプラン以上は会話データをAI学習に再利用しない(それ未満は同じ記載なし)
ElevenLabs 第三者LLM提供元による学習を契約で禁止。Zero Retention Modeはエンタープライズ+API限定(Web UIは対象外)

どちらも「上位プランなら守られる」構造です。自分の声を預けるとき、無料や下位プランで試す段階と、本番で使う段階は分けて考えたほうが安全です。

生成AI全般の「学習させない」設定の落とし穴は生成AIとは?初心者が最初に知るべき3つで扱っています。

「消えない」は、悪いことばかりではない

ここまで注意点を並べましたが、削除されない設計には利点もあります。

  • 支払いを止めても、作った音声のライセンスは残る
  • 一時的に離れて、必要になったら再加入すれば元に戻る(CoeFontは「再表示されます」と明記)
  • 学習し直す必要がない。3時間の録音を撮り直さずに済む

問題は「消えないこと」自体ではなく、やめたいときの手順が公式サイトの目立つ場所に書かれていないことです。料金ページには載りません。契約する前にFAQを読むのが唯一の対策です。

ローカルで完結させる道はあるか

検索候補に「ボイスクローン ローカル」が出てくるとおり、自分のパソコンの中だけで完結させたいという需要はあります。

技術的には、オープンソースの音声変換・音声合成を自分の環境で動かす方法が存在します。この場合、音声データは外部に出ません

ただし、次の点は正直に書いておきます。

  • 環境構築が必要です。GPUを含めたハードウェアの条件があり、「インストールして終わり」にはなりません
  • サポートがありません。うまくいかないときに問い合わせる先がない
  • 他人の声を扱う場合の責任は、すべて自分に返ってきます。サービス側の審査がないぶん、止めてくれる人もいません

「月額を払いたくない」だけが理由なら、割に合いません。 音声データを外部に出せない事情がある場合に限って、検討する価値があります。

なお、プリセット音声でよければ買い切りとローカルの選択肢は現実的です。VOICEPEAKは買い切りで手元のパソコンで動き、VOICEVOXは無料・無制限で使えます(クレジット表記が条件)。自分の声である必要が本当にあるかは、先に確かめる価値があります。

他人の声を登録してはいけない

最後に、料金や仕様より重い話です。

ボイスクローンで最も大きなリスクは、規約違反ではなく、他人の声を使うことです。

2026年2月4日に、AI音声サービスの「にじボイス」がサービスを終了しました。運営のAlgomatic自身が「法的な権利侵害はございませんでした」と述べたうえで、それでもサービスを終了しています

法的に問題がなくても、事業として続けられなくなることがあるという実例です。個人が他人の声を勝手に登録した場合、止めてくれる仕組みはありません。

  • 他人の声を登録するなら、本人の同意が必要です。 口頭ではなく、書面で残してください
  • 既存の声優や著名人に似せた声を意図的に作らないでください。法的にグレーであっても、公開した時点でリスクを負います
  • 自分の声であっても、勤務先の業務で使う場合は会社の許可を先に取ってください

権利まわりの整理は生成AIの商用利用はどこまでOK?にまとめています。

よくある質問

Q1. 解約したら、登録した自分の声は消えますか?

消えません。 ElevenLabs・CoeFontとも公式に「削除されない」と明記しています。ただし使えなくなります(無料プランでは凍結)。再加入すれば元に戻ります。

Q2. 登録した声を完全に消したいときは?

CoeFontは「アカウント削除のみで削除可能」です。個別には消せません。しかも有料プラン加入中は退会できないので、Freeにダウングレードしてからアカウントを削除します。ElevenLabsのPVCは検証段階に進むと削除できません

Q3. 解約したあと、作った音声は使えますか?

使えます。 ElevenLabsは契約中に生成した分について永続的な商用ライセンスを明記しています。CoeFontも解約後の商用利用が可能と回答しています。ただしElevenLabsでは、無料プランで生成した音声は表記が必須で商用不可です。

Q4. どのくらいの音声を録る必要がありますか?

サービスで大きく違います。ElevenLabsのPVCは推奨1時間・理想3時間(最低30分)、CoeFontの自分の声は最短5分の録音で、約2時間後に使えるようになります。

Q5. VOICEPEAKやVOICEVOXで自分の声は作れますか?

作れません。 どちらもあらかじめ用意された音声を使う仕組みで、AHSのVOICEPEAK製品ページにボイスクローン機能の記載はありません。「買い切りだから自分の声も手元に残る」という理解は成り立ちません。

Q6. 家族や友人の声を登録してもいいですか?

本人の同意が必要です。 口頭ではなく書面で残してください。同意なく登録することは、規約以前の問題です。

Q7. 無料で試せますか?

声を登録する機能そのものは、多くの場合有料プランの機能です。ElevenLabsのPVCはCreator以上で、それより下に落とすと使えません。無料枠でできることは無料で使えるAI音声読み上げ8選で実査しています。

Q8. 預けた声は、AIの学習に使われますか?

プランによります。 CoeFontは「Plusプラン以上をご利用の場合、会話データがAI学習目的で再利用されることはありません」と回答しています。裏を返すと、それより下のプランには同じ記載がありません。ElevenLabsは第三者LLM提供元による学習を契約で禁止していますが、Zero Retention ModeはエンタープライズのAPI利用限定で、Web UI経由は対象外です。

Q9. 声を登録するだけなら無料でできますか?

CoeFontはできます(公式FAQ「AI音声の作成は無料です」)。ElevenLabsのPVCはCreator以上の機能です。ただしどちらも、無料プランで作った音声の商用利用はできません。CoeFontは商用利用がStandard以上、ElevenLabsは無料生成分に表記が必須で商用不可です。

自分の声を登録するなら
ElevenLabsのProfessional Voice CloningはCreator以上の機能です。推奨1時間・理想3時間の音声が必要で、検証段階に進むと途中でやめられません。ただし契約中に生成した音声は、解約後も永続的に商用利用できます。声は解約しても削除されず、再加入すれば元どおり使えます。
👉 ElevenLabsの料金プランを見る

まとめ

ボイスクローンは、機能ではなく契約として見ると判断しやすくなります。

  • 自分の声を登録できるのは限られたサービス。VOICEPEAK・VOICEVOXはプリセット音声型で、自分の声は登録できない
  • 解約しても声は削除されない。ただし使えなくなる(ElevenLabs・CoeFontとも公式に明記)
  • 🔴 自分で消すのが難しい。CoeFontはアカウント削除のみ、しかも有料プラン中は退会できない。ElevenLabsのPVCは検証段階に進むと削除不可
  • 契約中に作った音声は、解約後も商用利用できる(ElevenLabsは「永続」と明記)
  • ❌ ただし無料プランで生成した分は商用不可(ElevenLabs)。「無料で作って後から課金」は通らない
  • 必要な音声量は10倍以上違う。ElevenLabsは推奨1時間・理想3時間、CoeFontは最短5分
  • 学習利用の保証は上位プランだけ。CoeFontは「Plus以上は再利用しない」、ElevenLabsのZero Retention ModeはエンタープライズのAPI限定でWeb UIは対象外
  • 登録は無料でもできるが(CoeFont)、無料で作った音声は商用に使えない(両社共通)
  • 他人の声は、本人の同意なしに登録しない。にじボイスは「権利侵害はなかった」としながらサービスを終了している

やめ方を先に読んでから、声を渡してください。 料金ページには書かれていません。

出典(2026年9月1日確認)

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